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『アイデンティティのつくり方』が教えてくれた4つの視点

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「このままでいいのかな?」と感じてるあなたに
「やりたいことがわからない」
「でも、このままの自分ではいたくない」

そんなモヤモヤを抱えながら、情報に触れては焦り、自信をなくしてしまう——そんな経験、ありませんか?

私自身も、変わりたい気持ちはあるのに動けない、そんな時期がありました。

そんなときに出会ったのが、森山博暢さん・各務太郎さんの
『アイデンティティのつくり方』という一冊です。

この本は、「自分とは何者か?」という問いに、押しつけではないヒントをくれる本でした。

今回は、読後に心に残った4つの視点を通して、
「やりたいことがわからない」状態から一歩踏み出すヒントを共有します。

1. アイデンティティは「自分の思い」からつくられる

「アイデンティティ」というと、肩書きやスキルを思い浮かべる人も多いかもしれません。
でも本書は、それらを超えた視点を教えてくれます。

「アイデンティティとは、胸を張って自分がやっていること、あるいはこれからやろうとしている姿。」

大切なのは、「今」やっていることだけでなく、これからどうありたいかという“意思”
そしてその意思は、外から与えられるものではなく、自分の内側から育てるものです。

本書は、「自分の物差し」を持つことの重要性を強調しています。
多様な情報や他人の意見に流される現代だからこそ、自分なりの判断軸がなければ、アイデンティティは簡単に揺らいでしまうのです。

2. 「好きなこと」だけにこだわると、視野が狭くなる

「好きなことを仕事にしたい」——よく聞く言葉です。
けれど、それがかえって人生の自由度を狭めてしまう場合があると、本書は教えてくれます。

「経験の少ないうちに“これが好き”と決めつけると、人生の可能性を失ってしまう。

つまり、「好きなこと探し」は、それなりの経験を積んでからの方がリスクが少ない。
若い時期は、むしろ「幅広い経験をすること」こそが最大の自己投資なのです。

やりたいことを探す方法として、本書では以下の3つの視点を紹介しています:

  • Hushtag型:情熱のタグを集める
  • Don’ts型:やりたくないことを明確にする
  • Needs型:人から求められることに注目する

    これらの視点は、コーチングの対話でもよく利用するパターンでもあります。(細かく補足するとネタバレになるのでこの程度にしておきます)

3. 自分の価値は「掛け合わせ」でつくられる

「何かに特化していない自分には価値がない」と思っていませんか?
それもまた、本書が優しくくつがえしてくれる思い込みのひとつです。

「100人にひとりの特性を3つ持てば、100万人にひとりになれる。」

たとえば、「マネジメント×リーダーシップ×コーチング」など、自分の経験をタグのように並べてみると、独自の組み合わせが見えてきます。

コーチングではこう問いかけることが有効です:
「今のあなたにタグをつけるとしたら?」「未来のあなたには、どんなタグが似合う?」
そのタグを組み合わせていくと、あなただけの希少な価値が見えてくるはずです。

4. アイデンティティは「相対的なもの」

本書の最後で印象に残ったのは、「自分とは何者か」は場によって変わるものだという視点です。

「自分が変わったのではなく、文脈が変わっただけ。」

所属する組織や関係性によって、自分の役割や見え方は自然と変化します。
だからこそ、一つの場所やコミュニティだけで「これが私」と決めてしまうのは危険です。

むしろ、異なる世界に身を置くことで、自分の価値が相対的に見えてくる
これは自己理解にとって非常に有効ですし、自己肯定感を高める場づくりにもつながります。

私自身、異なる価値観を持つ複数のコミュニティに関わることで、自分の多面性に気づくことができました。
コーチングでも「別の文脈では、どう見られていると思う?」という問いが、気づきを促す助けになります。

私の中で動き出したもの

『アイデンティティのつくり方』を読んで、改めて実感しました。
自分らしく胸を張って生きるには、他人の目ではなく、自分の内側に答えを見つけることが大切だと。

一方で、経験が浅い段階で「これが自分のやりたいことだ」と決めてしまうのは、時にリスクにもなります。
私自身、40代後半になってようやく、ある程度の経験を重ねてから、自分のテーマが見えてきたと感じています。

だからこそ、若い方には「今はまだ、経験を広げていいんだ」と伝えたい。
まずは一歩、やってみる。その積み重ねが、必ず自分の物語をつくっていきます。

私は今、マネジメント×リーダーシップ×コーチングという領域で強みを発揮しています。
でももうひとつ、現状とは異なる新しい軸——まだ自分の中に眠っている可能性を見つけたいと思っています。

できれば、自分の趣味に近い日頃の愉しみの中から探索したいものです。

そのためにも、多様なコミュニティに身を置いて、自分を相対的に見直すこと。
複数の視点を組み合わせたとき、私たちは初めて「自分だけの価値」をつくれるのだと思います。

そしてリーダーとしては、メンバー一人ひとりの自己肯定感が高まり、違いを認め合える場を育てたい。
そんな未来を描けるようになったのも、この本がくれたヒントのおかげです。

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